あたしをア・イ・シ・テ



唯翔に返事するなら有莉沙の前でだってできるけど、この子はね。


トイレの個室に入って鍵を閉めて、便器の蓋も閉めてそこに座る。


スマホの表示には、"着信アリ"の文字。


あたしはリダイアルを押して、相手が出るのを待った。

「あ、もしもし、まどか?」


電話をかけたのは、まどか。

メッセージに興味深いことが書かれていたから、電話した。


『芽衣先輩!私のメッセージ読みました!?』


「読んだよ、だから電話したの~」


『詳しく話すとですねー…』



まどかの話では、来週の土曜日に唯翔と奈々加が、今あたしのいるこのショッピングモールに来るらしい。


クラスでも孤立気味、いやもう孤立してる?奈々加に、まどかが久々に電話を掛けてみたところ、その話をされたらしい。

誰かに話したくてしょうがなかったんだろう。

もちろん、唯翔の名前は伏せて話されたらしいけど。


『浮気とかしてないから!純粋に片想いしてる人と出掛ける』と言っていたらしい。

…バカらしい。



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