あたしをア・イ・シ・テ
ふクしュう
Ⅰ
「えー、では第一回修学旅行委員会を終わります」
「「お疲れさまでした~」」
ガタガタとパイプ椅子を引く音が会議室中に広がる。
そんななか、あたしは座ったまま伸びをしていた。
「あ~、意外と疲れたぁ」
「そう?私はこういう裏で作業するの好きだからなぁ」
そう言いつつ、隣に座って欠伸をするのは有莉沙。
今日は例の修学旅行委員会の会議で、今終わったところ。
修学旅行委員会の主な活動は、修学旅行でのオリエンテーション運営や各クラスの部屋割り決めのリーダーなど、
言っちゃえば修学旅行に向けての雑用みたいな感じだった。
まぁ、あたしは見事、有莉沙を誘うのにも成功し、そして…
「あ、芽衣ちゃん。一緒帰る?」
ゆるりと現れたのは彼方くん。
彼を誘うのにも成功している。
着実に計画は進んでいってるね…。
「あ、彼方くん。もう暗いし送ってくれると助かるな」
ふふ、と冗談半分に笑うと、彼方くんはいいよ、と言ってくれた。
天然プレイボーイと噂の立つ彼方くんは、カッコイイし、やっぱりモテる。
でも感情の上がり下がりが激しいのが玉にキズかも。
「有莉沙も一緒帰るよね?」
「いいけど…」