あたしをア・イ・シ・テ
口ごもる有莉沙に首を傾けて見せると、あたしの耳元に口を寄せてきて、
「男子と帰って、唯翔くんは平気なの?」
あぁ、なんだそんなこと。
というか、唯翔が平気じゃなくなってくれなきゃ困る。
「大丈夫大丈夫」
そう言って笑うと有莉沙は、ならいっか、と帰る支度を始めた。
「じゃあ帰ろうか、彼方くん」
「ふぁーい…」
彼方くんも欠伸してるし。
二人とも遅くまで起きてるの?
スマホで時間を確認すると、7:23とあった。
サッカー部もそろそろ終わる時間。
唯翔に声を掛けられない程度に、そしてちょっと視界に入るぐらいに歩く。
唯翔に一緒に帰ろうって今誘われても困るからね。