あたしをア・イ・シ・テ
暗い中の校舎はやっぱり怖い。
今日は廊下に電気が付いてるからまだましかも。
あの日、唯翔と一緒に帰ったことを思い出す。
なんだかあのときより、状況が悪化してるような気がする。
どこで道を間違ったかなぁ。
最近、話してないなぁ…
ボーッと唯翔のことを考えてたら、いつの間にか学校を出ていて、家につくところだった。
「もぉ芽衣、全然聞いてなかったでしょ?」
有莉沙が頬を膨らましてあたしの顔を見てくる。
「あぁ、ごめん。何の話?」
「アイス食べ放題したら、お腹壊した話」
「ぶはっ、なにそれ」
そんなくだらないことしたの?有莉沙。
あたしならお腹壊すのはわかりきってるし、ケーキバイキングあたりにするけど。
「…どーせ唯翔くんのことでしょ?何したんだか知らないけど、ちゃんと話しなよっ?」
「うーん、まぁ、わかってる」
唯翔が、避けるから。
急にあたしがすごくすごく悪いことをしてるんじゃないか、って気になる。
でも唯翔は浮気してるんだし、あたしのこと怒れるはずがないんだよ!
それもこれも、全部あの女のせいだ。
「じゃあばいばい、芽衣」
「また来週~」