あたしをア・イ・シ・テ
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「めーい!ご飯食べよ!」
「あ、有莉沙。ごめん、ちょっと用事あって」
昼休み。
あたしは、ちょっと唯翔を探るために付いていくことにした。
「用事?先生に呼ばれたの?」
きょとん、として首を傾げる有莉沙。
「あー、まぁそんなところ」
有莉沙にはまだ黙っておこう。
こんな問題に巻き込んだら申し訳ないし。
「そっか。じゃあ、待ってるよ」
「先に食べてていいよ?」
「じゃあ食べながら待ってるね」
ニコニコと可愛い笑顔にそう言われては、頑張って早く帰ってこなきゃいけないね。
視界の端に、唯翔がスポーツバッグを持って教室を出ていくのが映った。
唯翔は、昼休みいつもサッカー部の部室で、サッカー部のメンバーと食べていると聞いている。
そこで、なにか会話からわかることがあるかもしれない。
「じゃあ、行ってくるね有莉沙」
「行ってらっしゃ~い」
教室を出ると、廊下の先のほうで唯翔が歩いているのが見えた。
どうせ部室に行くならあたしが先回りしていてもいいかな。
と思ったら。