あたしをア・イ・シ・テ



「あ!今来ました。これから電車に乗って帰るって言ってます」


まどかがそう言ったのは、あたしが丁度食べ終わって箸を置いたときで、まどかは二個目のハンバーガーに口をつけたところだった。

ちなみに、ほかのポテトとかは食べ終わってる。


「じゃあ、…まどかが食べ終わったら移動ね」


あたしは、この時間のショッピングモールの最寄り駅からこの駅までの電車時刻表を検索した。

到着は19:43。

今は19:13だから、丁度あと30分後だ。


「あ、大丈夫ですよ、持って帰りますから」


「じゃあ行こう」


あたしたちはお盆を持って、返却口に置いて駅の中の服屋へと向かった。


あとはあの二人と、わざと鉢合わせして演技で騙すだけ。

どんな反応するかな、唯翔は。

必死に謝ってくるだろうか、誤魔化すだろうか。

あ、でも今ケンカ中なんだっけ。


どうなるのか。

でももう、ここまで来たからにはやるしかない。


唯翔には反省してもらわなきゃ。

あたしがいながら浮気なんてしたことを心底後悔させてやる。


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