あたしをア・イ・シ・テ
「芽衣先輩、そろそろ改札口のほう行きましょ」
「あ、うん」
唯翔たちの前まで早足で歩き、ハンカチを落とす。
唯翔に拾ってもらい、呼び止められ振り返って、鉢合わせ。
何度も頭でそのシミュレーションをする。
拾うかどうかだけど、まぁ唯翔は基本人には優しいし、大丈夫だと思う。
あたしには毒舌なクセに。
「準備はいいですか、芽衣先輩」
「当たり前」
あたしたちは顔を見合わせて、不敵な笑みを交わした。
「あ、あれじゃないですか?」
まどかが指差す改札のほうを見ると、確かに唯翔たちに見えた。
しかも仲良く手なんか繋いじゃって。
今すぐその幸せな空間壊してあげるカラ。