キセキ ーEverlasting love
「…今は無理しなくていいのよ? いきなり宣告されて、受け止めるなんてできない。

だから…今はありのままのあなたでいてくれたらいいの。

すぐに笑えなくったっていいわ」


その言葉は、私の思いを見透かしたみたいに当たっていた。


そして同時に。

微かな安心も与えてくれた。




無理はしなくていい…
ありのままでいい…



「…ありがとう、ございます」


聞こえるか聞こえないかくらいのかすれた声でそういうと、


「いえいえ。これから、よろしくね」


そう言って彩未さんは笑った。





こんなにキレイな笑顔があるんだ


って、本心から思う。




しかしすぐに彩未さんは真剣な顔になった。


そして私の手に自分の手を添えて、ゆっくり言った。


「詩音ちゃん、1つだけ。言いたいことがあるの。

この先、病気が進行していくにつれて、もっともっと辛い出来事とかもあるかもしれない。

だけどどうか。
自分を見失わないでね。


生きてさえいれば、きっと報われる。




だから………生きるのを諦めることだけはしないで。


生きて」


彩未さんの手はとても温かかった。
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