キセキ ーEverlasting love
それからしばらく、彩未さんとお話しした。



不思議なことに。
彩未さんと話しているときだけは、病気のことを考えなかった。


誰かと何かをしているときが一番安心するんだなぁ……。
余計なことを考えなくて済むから。



「じゃあ、また明日ね。詩音ちゃん」


「はい。さようなら」


彩未さんが出て行った途端に、部屋は静寂に包まれた。 それがまた、一人であるということを容赦なく教えてくる。


何気なく。
窓の外に目をやった。


夕日の眩しい光が射し込んで、1日の終わりを告げようとしている。



今ごろ…みんなはなにしてるだろう?




そういえば今日は、あのクレープ屋に行こうって約束してたっけ。
また、みんな心配してくれてるのかな。



会いたい。

1日でも早く、ここから出たい。



短いようで、とても長い1日。
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