キセキ ーEverlasting love
「詩音!」




……ん。

朦朧とする意識の中、ゆっくりと目を開けた。



いつの間にか、寝てしまっていたんだ。




名前が呼ばれた方を見ると、仕事帰りにそのまま来たのであろうお母さんの姿。

若干息を切らしてる…



きっと、急いで来てくれたんだなぁ。


「お母さん、もう仕事は終わったの?」


笑顔でそう問えば、そうよって返ってきた。



お母さんの視線はーー私の身体から伸びる管。




ちゃんと、病気のことを言わなくちゃ。


「お母さん、あのね。…言わなきゃいけないことがあるの。



私、白血病なんだって」


「………え?」


案の定、呆然とした顔のお母さん。

私だって信じられなかった。



いや、信じたくなかった。


「………ごめんね」


どうしてこの言葉が出たのか、自分でもわからなかったけれど。


自責の念が…自分の中で無意識にあるのかもしれない。





もう……お母さんの顔見れない。
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