今日も明日も。~sidestory~
「カップルさんかなぁ!?いってらっしゃ~い!」
カップルとか気まずい言葉使うなよ...。
向かい合わせに座った俺らは何の会話もなかった。
この空気が耐えられなくて俺は外を見ることにした。
「観覧車とか何年ぶりかな...
意外とここからの景色もいいかもな...」
ゴンッ
物音が聞こえて振り返ると
コクリ...コクリ...
「まじかよ...」
俺の目の前には今にも寝そうな陽菜がいた。
陽菜は今にもどっちかの壁に頭を強打しそうで俺は陽菜の隣に座った。
「張り切りすぎなんだよ...笑」
俺は静かに陽菜の頭を引き寄せた。
陽菜の頭はコテンと俺の肩に乗った。
「せっかく頂上なのに...
まだこいつにはそんなの早いか...笑」
頂上に来たとき。俺は陽菜の頭をポンポンと叩き
「楽しい誕生日をありがとう」
とささやいた。
「陽菜。起きろ!もうつくぞ。」
「ん...うぅ...」
まだ眠そうな顔をした陽菜は
「あ、私寝ちゃってましたか...ごめんなさい...最悪だ...」
と言い出した。
「別にいいけど。」
「なんかお腹すきましたね」
「飯でも食いに行くか?」
「そーですね。あ、でもその前に...」
陽菜が指をさした先はお化け屋敷...。
「無理、絶対に拒否する。」
「いいじゃないですか~」
「お前大丈夫なの?」
「たぶん。」
「たぶんならやめようぜ...」
「いや、先輩となら大丈夫です!」
「だから俺が無理だって...」
ここで弱音を吐くのは男じゃねぇのは分かってるけどここに入ればもっと男じゃなくなる気がした。
「大丈夫ですよ!絶対怖くないし」
こいつは俺の勝負心に火をつけるのが好きなのか...
よし、絶対勝ってやる生意気小娘め...!!
「いいよ、入ってやるよ。」