意地悪なオジサマに、拾われちゃいました。
ぼーっと
千尋が見とれてると、
男性が気づいて
演奏を止める。


ピアノからはなれて
長い足で
ゆっくりと
千尋に近づいてくる。



「もしかして
起こしちゃった?」



千尋がなにも言えずに
黙ってると、
冷蔵庫から
冷たい水を出して渡してくれる。



「水分たくさん取った方がいいよ。
ずいぶん飲んでたから」



「あ、ありがとうございます…」



「ふふ。声かすれちゃってるね。
さっきたくさん
声出してたからね」



「…?」



「あれ、もしかして
覚えてないの?」


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