意地悪なオジサマに、拾われちゃいました。
「ちい」



そっぽを向いている
千尋を京介は
やさしい声で呼ぶ。



「なんですか?」



「おいで」



ほら、と
京介が千尋に両腕を伸ばす。


千尋が近寄ると
ぎゅっと抱きしめて、

頭を撫でながら
「お疲れさま」と
労うようにささやく。


(ふだんは意地悪なくせに、
たまにこういうことするのがズルいな)
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