未熟な恋
『あっつ~』
「なあ。かなり暑いわ。」
『こんな暑い中、部活とか死ぬなあッ』
そんな他愛な会話をゆいとしながら、部室に行った。
部室に行く途中、
野球部の所に、君の姿を見つけた。
すれ違う時、
君は小さな声で
「頑張れ」そう言ってくれたんだ。
あたしにだけ、聞こえるように。
それだけで嬉しくなって、暑さなんか忘れてたよ。
それから、
『野球部なんや~』とか、ずっと思ってたんだ。
気付けば、授業中も休憩中も、君の事で頭がいっぱい。
でも、気付いた事。
『今更やけどあたし、あいつの名前知らんッ』
「本間や!ゆいも知らん~。
なんか、渋そうじゃない?」
『ははッ。そうやなあ!』