鬼姫伝説Ⅲ
「私は、こんな髪、嫌いなのに!」
酷いことを言っているのはわかってる。
お母さんは、それでも私を好きだと言ってくれているのに。
「千菜さんは、由羅の家族だろう?大切なお母さんじゃないか」
「そうだけど・・・」
「由羅は、千菜さんが嫌いなのか?」
「そんなわけない!好きだよ!好きだけど・・・」
「千菜さんは、由羅の事本当に大切にしてるよ。愛してるんだって。千菜さんの事、信じてやろうよ」
快斗が私の頭に手を乗せ撫でてくれる。
私は、目を閉じ気持ちを落ち着かせる。
「ごめん・・・快斗」
「いいって。ほら、花火始まるぞ。行こう」
快斗は優しい。
いつだって、暴走する私を落ち着かせてくれるのは快斗だ。
私も、もう少し冷静になりたい。