鬼姫伝説Ⅲ
「この身体は簡単には死ねん。もう・・・、愛するものを失くすのはいやだ」
流れる時間が違う。
人間の人生は、きっと鬼からすればとても短く儚いものなんだろう。
送らなければならない、それはどれほど悲しいことだろう。
寂しいことなんだろう。
「その後・・・、どう生きて行けばよいのだろうな」
「鬼羅さん・・・」
「それに、俺はこの地を離れられん」
「え・・・?」
離れられない?
どうして・・・?
「そろそろ支度をしろ。出るぞ」
「う、うん」
疑問を残して、鬼羅さんは立ち去った。
どういうこと?
鬼羅さんは、なにを考えてるの?