鬼姫伝説Ⅲ
「今日はここで寝る」
「野宿初めてだ」
一度森を抜け、村を抜けてまた森に入ったそこで眠ることになった。
恐らく安全な場所らしい。
「俺たちが交代で番をする。お前たちは寝ていろ」
「でも・・・」
「子どもが変な気を遣うな。明日も早いんだ。眠っていろ」
鬼羅さんにそう言われ、横になる。
着物を敷いただけの簡易なもの。
他の鬼たちも横になり、番に残る鬼たちだけが起きている。
次第にうとうとと眠りに落ちていく。
「おやすみ、由羅」
鬼羅さんの声が降ってくる。
そのまま私は眠りに落ちていく。