鬼姫伝説Ⅲ
会場は人が多くて。
露店も並びとても賑わっていた。
「あら、日高さんに結城くん!」
そんな人ごみの中呼ばれて視線を移すと、学校のクラスメイトの女の子たち。
快斗の事を好きな中野さんのグループだ。
中野さんは、快斗が好きでいつも私を目の敵にしてくる。
「あら、二人で来てたの?せっかくだから、一緒に回らない?」
「え・・・」
「ね、いいでしょう?結城くん」
「え、あ、ああ」
快斗は優しいから、絶対に断らない。
そのことを知っているから強気でこれるんだ。
私はムッとしながらそれでも、快斗が決めることだと思って黙ってた。
「結城くんと日高さんって幼なじみなんでしょう?」
「そうだよ」
「結城くんも、大変ね。日高さんなんかが幼なじみで」
「・・・なんで?」
さすがの快斗もその言葉にピクリと眉を動かした。
悪意のある言い方に私も眉間にしわを寄せた。