鬼姫伝説Ⅲ
「琉鬼、お前はこの道を行け」
「鬼羅・・・。俺は、側においてはくれないんだね」
「ああ。だが、いずれまた会える時が来たのなら・・・。またお前のそのヘラヘラした笑い顔を拝んでやるよ」
「期待しないで待ってるよ」
琉鬼さんは、そう言ってその道に進む。
「琉鬼さん!本当に、ありがとうございました!私たちを助けてくれて、優しくしてくれて!」
「俺、琉鬼さんの事、絶対に忘れないから!ありがとう!」
「うん。俺も、嬉しかったよ。もう、会えないと思ってた千菜ちゃんの血を受け継ぐ由羅ちゃんと、生意気で強がりな快斗に出会えて。楽しかった。また、この先の世で会えたら・・・会えたらいいな」
別れは、なんて寂しいんだろう。
交わるはずのない人生が交わって。
出会いが生まれ、こうして別れがある。
寂しい。
「さよなら!」
でも、これは希望。
この先に続くための、希望。
きっと、また会える。