鬼姫伝説Ⅲ
お母さんの姿を見つけ、私はお母さんに抱きついた。
会いたかった。
酷いことを言ったまま、もう会えないかと思ってたから。
「由羅!ああ、よかった・・・。探したのよ・・・」
「ごめんなさい、お母さん。私・・・私・・・」
「いいの。お母さんが悪かったのよ。だから謝ろうと思っておってきたのに姿が見えなくて・・・。もしかしてまたお祭りの方に行ったのかと見に行ったんだけど・・・」
「え・・・?祭り・・・?」
お祭りって、花火大会?
私たち、同じ日に戻ってきたの?
快斗を見ると、快斗も驚いたように目を見開いた。
向こうに一月以上いっていたはず。
でも、こっちでは数時間も経っていない・・・。
不思議。
「由羅、本当に、ごめんなさい。あなたにちゃんと話さなきゃって思ってた。でも、言えなくて・・・。誤魔化したかったんじゃないの。ただ、お母さん自身・・・お父さんの事思い出に変えたくなかったのよ」
「お母さん・・・」
「由羅にはちゃんと受け入れてほしくて。だから、ちゃんと理解できるようになったらって思ってたの・・・でも、どうしても、過去の思い出として話したくなくて」
お母さんにとっては、今も続いている想いなんだよね。