鬼姫伝説Ⅲ
今ならわかる。
お母さんの思いも。
愛も。
「お母さん。ごめんね。ひどいこと言って。お母さんが癒えなかった理由、わかるから。私、知ってるから!」
「え・・・?」
「全部、全部・・・。知ったの。お母さんの思いも。お父さんの事も・・・・っ」
「由羅・・・?」
「お母さんにね、会わせたい人がいるの・・・」
お母さん。
一緒に鬼羅さんを、お父さんを起こしに行こう。
永い眠りについて、私たちが起こすのを待ってくれている鬼羅さんを。
おはようって。
待ってたよって。
起こしに行こう。
お母さんの手をひいて神社の拝殿にあがる。
それは、すぐに見つかった。
今まで、何度か来たことあったのに全く気付かなかった。
今、この時を待っていたんだね。