鬼姫伝説Ⅲ
「あ―!」
バス停に近づいたとき、大きな声が聞こえた。
振り向くと私たちを見ている快斗の姿。
「快斗!」
「な、なんで二人で出かけてんの!?」
「え?買い物だけど」
「俺とデートしてくれないくせに、鬼羅さんとデートすんのかよ!」
「はあ!?なに言ってんのよ。鬼羅さんは、私のお父さんで・・・」
ふて腐れてる快斗。
昨日快斗に誘われたけど、断ったんだ。
だから怒っているらしいけど、怒るところが違うんじゃ・・・。
「だからって、・・・俺だって、由羅とデートしたい」
「なにをふて腐れてるのだ。お前も来ればよかろう」
「え?」
「え、いいの!?鬼羅さん、めっちゃいい人!」
鬼羅さんの言葉に、すっかり機嫌の治った快斗は嬉しそうに側に来た。
えー。
せっかく鬼羅さんと二人でお出かけだったのに。