鬼姫伝説Ⅲ



私に声をかけてきたのは、ものすごくガタイのいい大きな男の人。
裸の上に右半分だけの着物を着ていて、足元は草履を穿いている。
凄い格好。

というか、筋肉ムキムキだし、でかいし。
なんか化け物みたい・・・。
なんて失礼なことを考える。



というか、頭の上に一本の角。
ハロウィンでもしてるのかしら。
季節外れだけど。




「あの、私は・・・」

「あんた、森の奥で倒れてたんだぞ。なんだ、賊にでも襲われたのか?」

「賊・・・?わ、私は神社にいて・・・。神社は家の近くで」

「神社?この辺に神社なんかあったか?」

「祠ならあるけどなー」





そう言いながら会話に入ってくる他の男の人。
この人はひょろっと縦長で、同じように着物を着ている。
でも、この人はちゃんとした着物だった。

この人たちは、一体なんだろう。
悪い人じゃ、ないのよね?




「あなたたちって・・・」

「俺たちか?俺たちはこの集落で暮らす鬼だ」

「・・・、鬼!?」





なんという設定なの!?
鬼って、あの鬼?
桃太郎とかに出てくる、あれ?




< 18 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop