鬼姫伝説Ⅲ
「あの、私・・・、自分で着物着れなくて・・・」
「え?着れないの?その着物、どうやって着たの?」
「これは、お母さんが・・・」
恥ずかしい。
そうだよね、この時代は着物が普通なんだもん。
着れないなんておかしいよね。
「俺が着せてあげようか?」
琉鬼さんがそう言ってくれる。
た、助かる・・・。
「お、俺が!」
それを制したのは快斗。
え、快斗が?
「快斗、着せれるの?」
「・・・う、したこと、ないけど・・・」
「じゃあ無理じゃん」
私がそう言うと、悔しそうに顔をしかめた。
そんな悔しそうにしたって、できないのに無理じゃんね。