鬼姫伝説Ⅲ
でも、なんだかご利益があるとそこそこ人気なんだ。
昔は不気味がられていたらしいけど。
「復縁に聞く神社ってすげぇよな」
「別れても、運命の相手ならその縁は結ばれる・・・って、お母さんが言ってた」
別れても・・・なんて。
ダメだったから別れたのに、それをまた結ぶなんてどうかしてる。
「でも、普通の縁結びだってあるんだろ?」
「そうだね。でも、もともと縁結びの神様なのかな?」
「なに?」
「なんか、よくわかんないのよ。祀られてるのは鬼とお姫様、なんだって」
「神様じゃなくて鬼か」
「変だよね」
鬼って、なんか悪者的なイメージあるのに。
桃太郎だって、なんだって、鬼は悪役って決まってる。
それを神様みたいに讃えるなんて。
まぁ、ご利益があるならいいんだろうけど。
「あ、でも。花火大会は行こうな!」
「うん」
「浴衣着ろよ。俺も甚平着るから」
快斗はとても張り切ってる。
お祭りとか、そういう楽しいことが好きなんだ。