鬼姫伝説Ⅲ
「由羅ちゃんのその髪、誰かを想いだすな」
「え?髪・・・?ああ・・・、これ、生まれつきなんです。ここだけ白くて・・・嫌なんですけどね」
「そう?可愛いと思うけど」
そんな事言われたのなんて、初めてだ。
なんだか、素直に嬉しいと思う。
「誰かをって、誰を思い出すんですか?」
「ん?あ、ほら。言ったでしょ?お頭的な人。そいつがさ、白髪だったから」
白髪・・・。
お年寄りなのかな。
お頭ってくらいだもん、お年を召した人に違いない。
「明日、会いに行くんだけど。由羅ちゃんも行ってみる?」
「え?生きてるんですか?」
「え?」
「あ、その人がすべてを治めてくれたって言うから・・・」
快斗が言ってたことそのまま鵜呑みにしてたけど、違うのかな?