鬼姫伝説Ⅲ
「私、納得できません。あなた一人が犠牲になるなんて。それに、こんなことするお殿様が許せません!」
「お前には、関係ないだろう」
「関係ないけど!・・・でも、それでも」
見てしまったから。
知ってしまったから。
私の信じていない永遠の愛を口にするこの人たち。
私だって、本当は信じたいんだ。
だから、知りたい。
この人の口から。
その愛する人の話。
そうしたら、少しは私だって信じられるかもしれない。
「琉鬼、こいつらを連れて帰れ」
「まったく、素直じゃないね」
「うるさい。さっさと行け」
「いこう、由羅ちゃん」
「いやです!」
こんなの嫌。
納得できない。