鬼姫伝説Ⅲ
「琉鬼さんはいいんですか!?このまま鬼羅さんがここに閉じ込められてて。あんなに傷だらけになって、ずっとこのまま!」
「よくないよ。いいなんて思ってない。それでも、俺たちの思いだけではできないんだよ」
わかんないよ。
私、子どもだから。
そんな納得しろって言われたってできない。
「そんな風に傷だらけになってるの見て、お姫様が喜ぶと思ってるんですか!?いつか、天国で会えたとして、笑顔で迎えてもらえると思ってるんですか!?」
そんなの、違うよ。
絶対違うんだから。
「由羅、やめろ」
「だって!見ず知らずの私ですら、こんな姿見ていられないのに!鬼羅さんの事を好きだって言ってくれてたお姫様が見たら、悲しむもん!傷だらけになって、こんなところに閉じ込められて」
「由羅、それでも。俺たちが口を挟んでいいことじゃない」
快斗が咎めるように私の腕を引く。
またそうやって、私はのけ者だ。
本当の事も、思いも、誰も教えてくれない。
私は、なにも知らないまま何もできないまま。
そんなの嫌なのに!