鬼姫伝説Ⅲ
一緒に泣きたいよ。
一緒に悲しみたいよ。
一緒に笑って。
一緒に楽しんで。
お父さんのことだって。
たくさんお母さんから聞きたかった。
どんな人だったのかって。
どんなことがあって、どんなふうに好きになったのか。
それだけでも知りたかった。
どうして別れることになったとか。
そんな事、教えてくれなくてもよかった。
それでも。
「私だって、一緒に悩んだりしたかった・・・っ」
ポロポロと溢れだした涙。
悔しくて。
ごしごしと乱暴に拭った。
「由羅・・・」
快斗の手が私の背中をさする。