鬼姫伝説Ⅲ
弐
集落での生活
「あ―!鬼羅さん!もう!まだだって言ってるのに!」
お世話になってるお礼に、私はご飯担当になった。
色々と勝手が違って四苦八苦しながら頑張ってるんだけど。
鬼羅さんが横からできた魚を奪っていく。
「うるさい」
シレッとそう言って魚にかぶりつく鬼羅さん。
なにこの、俺様な態度!
あんなに弱々しかった鬼羅さんはどこに行ったのよ!
本当はあんな人だったなんて。
詐欺だ!
私の涙を返せ!
「琉鬼、煩いあの女、どうにかしろ」
「もう、仲良くしなよ」
呆れたような琉鬼さん。
そう、鬼羅さんが戻ってきてから、私と鬼羅さんはケンカばっかり。
だって、鬼羅さんったら意地悪で、口が悪いしすぐ突っかかるようなことを言ってくるんだもん。
私だって、そんな大人しい方じゃないし。
しっかり言い返しちゃうもんね。