鬼姫伝説Ⅲ
「鬼羅さん」
料理の準備ができた頃には、鬼羅さんはどっかにいっていて。
私は鬼羅さんの分の料理を持って鬼羅さんのもとに来ていた。
「なんだ」
「はい。鬼羅さんの分」
「・・・お前の匂いは気に入らん」
「え?またその話?」
匂いって。
そう言えば、琉鬼さんも言ってたな。
「なんなの、琉鬼さんもなんか懐かしい匂いだって言ってたし」
「お前、兄妹でもいるのか」
「兄弟?いないけど」
「・・・そうか」
「私そんな臭い?」
くんくんと自分の身体を匂ってみる。
自分の匂いってわかんないのよね。
ていうか、女の子を捕まえて匂うとか失礼すぎるでしょ。
「違う」
「え?」
「・・・抱きしめたくなるのだ」
・・・・え?
ボッていう音がするくらい一気に顔が熱くなる。
な、な、なに言いだすの、この人は!