鬼姫伝説Ⅲ



「お前、あいつの事好きになったんじゃないだろうな!」

「・・・は?」



皆のところに戻ると、待っていた快斗が険しい顔をして詰め寄ってくる。
好きって、誰が誰を。


もしかして、私が鬼羅さんを?



「ないよ!あるわけないでしょ!」

「ずっとあいつの事気にしてるし」

「鬼羅さんは、お姫様を一途に愛してるの!それに、私ああいう口が悪い人タイプじゃない」

「な!じゃあ、どういう奴がタイプなんだよ!」




なによ、喰いついてくるわね。
タイプか・・・。
そう言えば、考えたことなかったな。


いつも隣には快斗がいて、他の男の子と遊んだりとかなかったし。
好きになったこともないし。
まだ中学生だもん。
これからだよね。




「好きになった人がタイプ!」

「はあ!?じゃあ、あいつの事好きになるかもしれないってことじゃねぇか!」

「もう、なんなのよ。なんでそんな突っかかってくるの?」

「つっかかってねぇ!」



もう、わけわかんない。
快斗の奴め。




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