鬼姫伝説Ⅲ
「ちよ、すきだった。やさしかったぞ」
「そうなんだ・・・。素敵な人だったんだろうね」
天にも愛されてみんなに好かれていたお姫様だったのかも。
「天はちぃちゃんが死んじゃった後旅に出るって消えたんだよ。それから20年消息不明」
「ええ!?20年って・・・。何歳なの?」
「鬼は、人間よりずっと長生きなんだよ。俺たちだってそれ以上生きてるし」
「そうなんだ・・・」
そうか・・・。
歳少し上なんだろうなーとか思ってたけど。
そんなどころじゃないんだ!
「きらはどうしたか!」
「鬼羅なら、今出てるよ」
「いないうちにいろいろかわってておどろくな!」
「そりゃそうでしょ。まったく」
そう言って私の手の上から天をとると琉鬼さんはどこかに行ってしまった。
私の知らないことがいっぱい。
でも少しだけ知れた。
お姫様の名前。
それから、鬼の事。