鬼姫伝説Ⅲ
「なんか、もうすぐ鬼同士の戦が始まるかもしれないらしい」
「え?鬼同士?」
「ああ」
どうして同じ鬼同士で戦わなくちゃいけないの?
この時代は、人間同士も戦う。
だから、仕方ないのかな?
「日本全国に鬼は生息してるんだけど、人間が鬼の住処を侵略してるんだって。それで、住処を追われた鬼たちが住処を求めて戦を仕掛けてくるらしい」
「なにそれ。無理やり奪うってこと?一緒に暮らせばいいじゃない」
「やっぱ、そこは縄張り意識みたいなもんじゃねぇの?仲良く暮らしましょう、ってなかなかなれねぇのかもな」
なんだか、悲しいね。
力を合わせていくって道はないのかな。
「もしそうなったら、俺がお前を護るかんな!」
「え?いいよ。快斗も隠れてなきゃ」
「バカ!男が女を護るのは当然なんだよ!わかったか!」
「・・・わかった。じゃあ、任せたよ」
張り切っちゃって。
でも多分、戦と聞いて怖いとあまり思わないのも、きっと快斗も一緒にいるからなんだろうな。
ありがたい。
恥ずかしいから言わないけど。