鬼姫伝説Ⅲ
「お母さんも・・・もう会えない人を想って泣いてたのかな・・・」
想像することしかできないけれど。
もしそうなら、一緒に泣きたかったよ。
大丈夫って背中をさすってあげたかった。
「本当は、側にいてあげたかったよ」
もどかしい想い。
届かない想い。
ああ、どうしてこううまくいかないんだろう。
「どうして、離れなくちゃいけなくなっただろう・・・。あんなにも愛してるのに。どうして・・・」
仕方ないと、切り捨ててしまえない。
そんな思いがあるからこそ、涙は溢れて。
どうしようもできない。
わかってるからこそ、胸が苦しくて。
恋ってなんて切ないんだろう。
私はできるだろうか。
こんな悲しい未来が待っているかもしれないと思いながら。
誰かを愛することはできるだろうか。