鬼姫伝説Ⅲ
「へぇ。じゃあ、鬼羅は男だから、お父さんってとこかな」
「お父さん?ええー、鬼羅さんがですか?」
琉鬼さんが言った冗談に、ちらりと鬼羅さんを眺めてみる。
鬼羅さんがお父さんか・・・。
「んー、いやではないかもしれないですね」
「お、だってさ、鬼羅」
「アホなこと言ってないでさっさと食え」
鬼羅さんはその冗談には乗ってくれるはずもなく。
私と琉鬼さんと快斗だけがケラケラと笑った。
「お父さんかー」
「ん?どうしたの?」
「お父さんがいたら、どんな感じなのかなって。私、お父さんいないんです」
「そうなの?死んじゃったとか?戦とかいったりするもんね」
「いえ。そうじゃなくて・・・。もともと、知らないんです。どんな人なのか。なにも教えてもらってなくて」
なんでこんな話をしてるんだろう。
でも、この人たちなら聞いてくれる気がして。