鬼姫伝説Ⅲ



「ったく、泣くくらいなら、千菜さんにあんなこと言うなよな」

「・・・っ、わかってるよ。ちゃんと謝る!」




呆れ声の快斗。
言われなくてもわかってるもん。
溢れた涙をごしごし拭う。



「え・・・?千菜さん?」





琉鬼さんが呟く。




「え?あ、私の・・・」




答えようとしたその時、辺りが騒然とし始めた。
なにか騒がしい声が聞こえ、怒号が聞こえ始めたのだ。



「なんだ」

「北の鬼が攻めてきました!!」




鬼の一人がそう叫ぶ。




「由羅ちゃんと快斗はどこか小屋の中に隠れて!」

「行くぞ、由羅!」

「え、あ、待って・・・っ」




快斗に引っ張られ連れて行かれようとする。
でも、鬼羅さんは、琉鬼さんは!?





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