鬼姫伝説Ⅲ



どれくらい時間が経っただろう。
突然、扉が開かれた。


そこには、刀を持った鬼が立っていて。




「こんなところにも見つけたぞ!」




殺意を持った瞳で私たちを見た。



「いやっ」

「くそっ!」



私たちはじりじりと後ずさる。
怖い。

怖い。




鬼が、刀を振り上げた。




恐怖に、身体が動かない。




「由羅!!!」




いったい、何が起きたんだろう。
私の身体は強く突き飛ばされ。
刀は振り下ろされた。

そして、飛び散る赤が辺りを染め上げる。





< 59 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop