鬼姫伝説Ⅲ
どれくらい時間が経っただろう。
突然、扉が開かれた。
そこには、刀を持った鬼が立っていて。
「こんなところにも見つけたぞ!」
殺意を持った瞳で私たちを見た。
「いやっ」
「くそっ!」
私たちはじりじりと後ずさる。
怖い。
怖い。
鬼が、刀を振り上げた。
恐怖に、身体が動かない。
「由羅!!!」
いったい、何が起きたんだろう。
私の身体は強く突き飛ばされ。
刀は振り下ろされた。
そして、飛び散る赤が辺りを染め上げる。