鬼姫伝説Ⅲ
「でも、君のおかげで助かった。もう、危ないことはしてはいけないよ」
「はい。すみません」
私はおまわりさんに鞄を預け、土手を上がる。
丁度私を追ってきた快斗が心配そうな顔で走ってきていた。
「由羅!バカ、お前!犯人を追いかけるやつがあるか!」
「ご、ごめん」
「お前に何かあったらどうすんだよ!」
血相を変えた快斗にまで怒られさらに落ち込む。
考えなしに体が動くのは、私の悪い癖だ。
「ほんと、野性的だよなー由羅って」
「野性的って・・・」
でも、そうかもしれない。
考えるよりも先に体が動くし。
私は、運動神経も人並み外れてすぐれている。
簡単なことは初めての事でも教えてもらえればある程度モノにできるし。
そして、怪我の治りが早い。
同じように怪我をしても、快斗よりも私の方が治りが早いんだ。
運動に優れているせいなのかな?