鬼姫伝説Ⅲ
「どうしよう・・・」
途方に暮れていた。
どうしてないの。
どこに行ってしまったの?
「どうしたの?」
「琉鬼さん・・・鬼羅さん・・・」
二人で並んで立っているのは珍しい。
でも、そんな事を気にしている場合ではなかった。
私は泣きそうになりながら失くしものをしたのだと話した。
「それって、あの巾着に入ってたやつ?」
「そうなんです。巾着ごと失くしちゃったんで、わかりやすいはずなんですけど・・・」
琉鬼さんには実物を見せたんだ。
鬼羅さんも、しゃがみ込んで一緒に探してくれている。
嬉しい。
「・・・これか?」
鬼羅さんがそう呟き歩いて行くと何かを拾い上げた。