鬼姫伝説Ⅲ
鬼羅さんが戻ってくるまで、私たちは誰も話さなかった。
きっと、私も琉鬼さんも、快斗も戸惑いが隠せなくて。
きっと、理解できてない。
なにが起きてるのか。
鬼羅さんはすぐに戻ってきた。
手には、なにかを持っていた。
「これを、知っているか」
渡されたもの。
これは、鬼羅さんが河原で抱きしめて泣いていたもの?
色が似ていてそう思った。
私はそれを広げる。
「これ・・・」
見覚えがあった。
だってこれは。
だってこれは。
「制服・・・」
ああ、涙が。
「お母さんの、高校の制服・・・」