鬼姫伝説Ⅲ
参
ぎこちない親子
「お父さん・・・か」
呟くように吐き出した言葉。
鬼蘭さんが、私のお父さん・・・。
実感わかないし、本当にそうなんだろうか。
さっきは気持ちが高ぶってあんな風に泣いちゃったけど。
なんだか、ふわふわ落ち着かない。
「由羅。考え事?」
「え?」
小屋の中でゴロゴロと寝転がっていた私を快斗が見下ろす。
少し一人になりたいって小屋の中に籠ったんだ。
「鬼羅さんのこと?」
「・・・うん。なんか、信じられなくて。本当に鬼羅さんが私のお父さんなのかな?」
「でも、千菜さんがこっちに来てたってことは事実なんだろうし。それに・・・、俺、なんか納得したんだよな。鬼羅さんが父親って聞いて」
「納得?」
「その髪とか」
ちらっと快斗が私を見る。
私の一束だけ白い髪。
これも、鬼羅さんが白髪だから?