鬼姫伝説Ⅲ
「娘か」
「・・・まぁ」
「なんか、実感わかぬなぁ」
「私だって」
だってついこの間までケンカしてたのに。
突然親子なんていわれてもねぇ。
「お前といると余計なことまで口走るのは、そうか。千菜の娘だったからなんだな。してやられた」
「なによそれ」
「調子が狂うんだ。俺はもともとそんなおしゃべりではない」
「十分おしゃべりよ」
「だから、調子が狂うと言ってる」
少しずつ調子を取り戻してきた鬼羅さん。
それにつられ、私も普段通りに戻れた気がする。
突然親子なんてできないよね。
それに、私と鬼羅さんは、その方が合っている気がする。
「お前がここにいるうちは、俺が護ってやるから。安心しろ」
「・・・うん」
鬼羅さんの言葉を素直に受け取った。