鬼姫伝説Ⅲ
頭が、クラクラする。
ここはどこだろう。
薄暗くて埃っぽい。
身体が、ジンジンして・・・動かない。
「目が覚めたか」
突然聞こえた低い声に体がビクッと震えた。
その男は刀の鞘で私の身体をどつく。
肩口をどつかれ、痛みに涙がにじむ。
怖い・・・。
「身体は、動かないだろ?軽い毒をしみこませていたからな」
・・・毒!?
恐怖に顔が引きつる。
「安心しろ、死にはしない。まぁ、あいつらの出方次第でそうなるかもしれねぇがな」
男はどこか可笑しそうな声色でそう言うと立ち上がりその部屋を出て行った。
残された私。
身体が震える。