鬼姫伝説Ⅲ
「由羅―!!」
小屋の外から声が聞こえる。
うつらうつらしていた私はその声に目をあけた。
鬼羅さんの、声・・・?
「鬼羅さ・・・」
身体を起こし、呟いた瞬間、私の後ろから刀の刃が向けられた。
いつの間に私の後ろにいたのか、さっきの男が私に刃を向けていた。
毒のせいでうつらうつらしていて気づかなかったの・・・?
「大人しくしときな、お嬢さん」
「っ!なんでこんな・・・っ!」
鬼羅さん・・・!
「由羅っ!」
扉が勢いよく開かれて、光が入ってくる。
眩しくて目を細め、その扉の方を見ると息を切らせた鬼羅さんが。
「鬼羅さ・・・っんあっ!」
思わず駈け出そうとした私を、男が後ろから引き寄せ私の首に腕を回した。