鬼姫伝説Ⅲ
「元の時代に、戻る方法はきっと、あの祠だ。千菜もそれで帰った」
「祠・・・」
「恐らく、千代の力だろう・・・」
千代さんの力で、元の世界に戻れる?
でも、そうなったら・・・。
鬼羅さんとももう会えないっていう事?
「そういえば、言い伝えにはもう一つあったな」
「え?」
「その島には宝が眠っていると。どんな魔物でも人間に変えてしまうという秘宝」
「人間に・・・?」
「ああ。それもまた、真偽のわからない言い伝えだけどね」
人間になれる宝。
もし、それを使えたら・・・。
鬼羅さんがお母さんと生きる未来があるだろうか。
鬼羅さんは、もう諦めてるのかな。
私の生きている時代には鬼はいない。
鬼羅さんも、そのことを知っているのかも。
だから、お母さんがいる未来に行くことを願ってはいない?
共に生きれないことを知ってるから。
だとしたら・・・。
「私も、その島に行きます!そのお宝があるのなら、見てみたい!それから・・・っ」