鬼姫伝説Ⅲ



「だめだ!なにがあるかわからんというのに!そんな危険な場所にお前たちを連れて行けるわけないだろう!」

「もし、本当にそんな宝があったら、鬼羅さんだって未来にいってお母さんと生きる道があるかもしれないでしょ!」

「だとしても、お前たちを巻き込むわけにはいかない」




望んでいるはずなのに。
あんなに、泣くほど愛していて。
10年経っても、忘れることができないくらいに。



それなのに。



「巻き込むとか、ただ私が一緒に行きたいの!もし、鬼羅さんがその島に残るとしても・・・、ぎりぎりまで一緒にいたい」

「俺も。せっかく出会えた人たちと、このまますぐ別れたくないし。最後まで付き合いますよ。帰れる方法がわかってるなら、いつでも俺たちは帰れるし」




黙って聞いていた快斗がそう言う。
快斗・・・。



「俺は、由羅がそうしたいって言うなら、由羅の思うとおりに付き合う」

「快斗、付き合ってくれるの?」

「当たり前だろ?俺が由羅を護んだからな!」




胸を張って快斗が言う。





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