shooting star
*.·*.·流れ星に願う*.·*.·
沢山の星に囲まれ、

沢山の人に囲まれた中、

小さな小さな産声が、

星空に木霊しました。

7月7日11:23、それが、未熟児の私が産まれた瞬間でした。

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母親に、星名(せいな)と名付けられた私は、

惜しくも名前負けしてしまう、

空気系女子なのです。

母が、弟の星大(しょうた)のお世話ばかりして、

私が我慢する。

それが、日常茶飯事なんです。

小さいときから私は要領が悪く、

保育園に連れていかれても、

たいした世話もされない。

対して、弟は家でお母さんと一緒にいるだけ。

羨ましくも何ともないんです。

だって、それが私の家なんですから。

そんな私が、自分の12歳の誕生日、

つまり、七夕の日に願ったことは、

『もういっそ、誰の目にも触れず、生涯を閉じたい。』

この、1つだけだったのです。

そんな願い、叶うはずがないと思っていました。

1年後の春までは。
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