極道に愛されて。
一人の人間として
琉斗さんは、車の中でずっと私の腰を抱いていた
その行動に不快感はなかった
前なら断固拒否だったんだけど…
そして、今は琉斗さんの屋敷の前に立っている
そこには、立派な“神楽組”という文字
この屋敷を飛び出した時は余裕がなかったから気づかなかった
考えてみれば、珀さん流斗さんのこと“若”って呼んでたし…
神楽って言ったら、このあたりでは一番有名な極道だ
そっか…
どうりで普通じゃないわけだ
極道ってこんな身近な存在だっけ?