面倒くさがりの恋愛
「ナツミちゃん。そろそろ起きなさい」
低い声が聞こえる。
楠くんの声は、もう少し軽くて高め、この低い声は……
ぱっと目を開けて顔を上げると、少し呆れたような顔の生嶋さん。
何故か目の前にしゃがんで、頬杖をついている。
あれ。ええと。
「どれだけ飲んだの。女の子がそんなに飲んじゃ危ないだろう?」
説教つきですか?
「紗理奈……は?」
「先に帰ってもらった」
「どうして生嶋さんが来てるの?」
「楠に叩き起こされたから?」
「どうして、楠くんに起こされるの?」
「……うーん。そうだな。楠は、俺が君のこと好きなの知ってるからじゃないか?」
一気に目が覚めた。
「ごめんなさい。帰ります!」
慌てて立ち上がると、手を捕まれた。
「落ち着いて。俺もとって食ったりしないから」
見上げられて、瞬きする。
「俺も?」
「うん。まぁ……さすがに」
溜め息混じりに立ち上がられて、視線の位置が下から上に向かう。
「信藤ナナミじゃなくて、ナツミと読むなんて、履歴書見ないと解らなかったよ」
「……え」
「人事はネームプレート以外も見れるからね」
あの。そこは聞いていないんだけど。
「君は覚えてないかな。可愛いの後に、食べっぷりに惹かれたって言っただろう? それに……」
さらりと髪をかきあげられて、首筋に指で軽く触れられた。
「ここにホクロがあるの。知らなかった?」
し、知っていたような知らなかったような?
「き、気付い……」
「まぁね。話をしながら、あんなに姿勢よく、豪快に綺麗にモノを食べる人は少ないよね」
にっこり微笑まれて、倒れそうになった。
低い声が聞こえる。
楠くんの声は、もう少し軽くて高め、この低い声は……
ぱっと目を開けて顔を上げると、少し呆れたような顔の生嶋さん。
何故か目の前にしゃがんで、頬杖をついている。
あれ。ええと。
「どれだけ飲んだの。女の子がそんなに飲んじゃ危ないだろう?」
説教つきですか?
「紗理奈……は?」
「先に帰ってもらった」
「どうして生嶋さんが来てるの?」
「楠に叩き起こされたから?」
「どうして、楠くんに起こされるの?」
「……うーん。そうだな。楠は、俺が君のこと好きなの知ってるからじゃないか?」
一気に目が覚めた。
「ごめんなさい。帰ります!」
慌てて立ち上がると、手を捕まれた。
「落ち着いて。俺もとって食ったりしないから」
見上げられて、瞬きする。
「俺も?」
「うん。まぁ……さすがに」
溜め息混じりに立ち上がられて、視線の位置が下から上に向かう。
「信藤ナナミじゃなくて、ナツミと読むなんて、履歴書見ないと解らなかったよ」
「……え」
「人事はネームプレート以外も見れるからね」
あの。そこは聞いていないんだけど。
「君は覚えてないかな。可愛いの後に、食べっぷりに惹かれたって言っただろう? それに……」
さらりと髪をかきあげられて、首筋に指で軽く触れられた。
「ここにホクロがあるの。知らなかった?」
し、知っていたような知らなかったような?
「き、気付い……」
「まぁね。話をしながら、あんなに姿勢よく、豪快に綺麗にモノを食べる人は少ないよね」
にっこり微笑まれて、倒れそうになった。